歯周病の治療
歯周病治療は二人三脚です!
進行した歯周病治療を成功に導くためには、患者さんのがんばりとわれわれ医療従事者(歯科医師、歯科衛生士)との二人三脚が必要です。上の図のように、
1、患者さんによる「自己管理」(正しいブラッシング)、
2、われわれがさせていただく「高い水準の治療」(ハイレベルな技術)、
3、治療終了後のメインテナンス(定期健診とクリーニング)の三つがあって初めて治療は成功に導かれます。
歯周病治療の流れ
- 応急処置
- 歯ぐきの痛み、腫れなどの急性症状に対処します。
- 精密検査
- いったん痛みや腫れがひいた後、歯肉の状態を詳しく調べます。
歯周病の進行には個々の患者さんの先天的な要素も歯周病の原因の多くをしめており、
糖尿病や高血圧症などの生活習慣病の成り立ちと似ています。
それゆえ患者さんのタイプを判定することが重要になります。全体のレントゲン検査やお口の中の写真撮影も含まれます。
- カウンセリング
- 精密検査の結果をもとに、綿密な治療計画が立てられます。また患者さんに治療計画の説明が行われます。
- 初期治療
- 歯周病治療の基本となるもので、ブラッシングの改善、歯石除去(スケーリング・ルートプレーニング)などが
行われます。
簡単な虫歯の治療や、仮ブリッジ、仮義歯の作製も必要に応じて行われます
- 二次治療
- 歯周病の進んだ部位のみに行われ小外科治療(歯周外科手術)が応用されます。
失われた歯周組織を再生させる、再生療法もこの時期に用いられます。
- 修復治療
- 冠をかぶせたり、ブリッジ、義歯が作製されます。(必要な方のみ)
- メインテナンス
- せっかくよくなった歯ぐきを長持ちさせるため、 1 ~ 6 ヶ月ごとの定期検診を受けましょう。
ブラッシング
- 歯周病の原因はプラーク(細菌)。だから正しい歯磨きでプラークを取ることは歯周治療の基本です。
- ブラッシングは回数や長さより、磨き残しがないように磨くということが大切です。
歯と歯の間に隙間ができている人は歯間ブラシやデンタルフロスも必要です。
- ぜひ一度歯科医院でブラッシング指導を受けましょう!
スケーリング・ルートプレーニング
- 歯石はプラークが唾液や血液中のカルシウムなどのミネラル分と結合してできたもので、文字通り石のように固く歯や歯根表面に付着しています。
- 歯周病に悪さをするのはこのうち根の表面についている歯石で歯周ポケット内にあるため気づかないこともしばしばです。
- 歯石は歯根にこびりつくように強固についており、ブラッシングやうがい薬などでは決して取れません。
これをとるための治療をスケーリング・ルートプレーニングといい、歯科医院での治療が必要です。
歯周外科手術
- 歯周病が進行している場合には歯周外科という小外科手術が必要になることがあります。
- これは深いポケットの中の歯石を確実に取るため、またホームケアをしやすいように歯ぐきの形態を整えるといった目的があります。
- いくつかの方法があり、その中には歯周再生療法、審美歯周外科といった治療法も含まれます。
- 外科手術といっても、時間的には1時間程度でスケーリング・ルートプレーニングとさほど変わりません。
ただし当日はお酒や運動は控える必要があります。
レーザーと歯周治療
- 最近歯科でもレーザーを歯周治療に応用する試みがあります。
しかし現在のレーザーでは歯根面を傷つけずに、また歯ぐきを切開することなく歯石を取りきることはできません。
レーザー単独では歯周病は完治しない理由です。